こんにちは!
薬局薬剤師のたつな(@tatsuna11)と申します。
※詳しいプロフィールはこちら
薬剤師が主人公の漫画「アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり」、この度2巻が発売になりました!
どんな話なの?面白そうだったら読んでみようかな?と思っているそこのあなた!
ぜひ、読んでほしい!
推しの気持ちをこめて、感想を書きました。
よかったらお付き合いくださいませ。
※1巻の感想はこちら

飲み会の会話がリアル
2巻の始まりは、主人公みどりと大学の同級生の飲み会から。
4人それぞれ、MR・調剤薬局・ドラッグストア・病院と違う就職先に進んでいます。
大学の友達なので本音トークが繰り広げられるんですが、この会話がものすごくリアル。
- 当直とか急な出張があったから、みんな揃うの久しぶり
- ゆっこ(MR):頑張った分、成果(お給料)で返ってくる。大変だけど向いてると思う
- アヤ(薬局):体力に自信なかったから、定時に帰れる仕事でよかった
- 千尋(ドラッグストア):産休中の待遇がいいんだよね
- みどり(病院):給料は低いけど、先輩に恵まれてるしやりがいもある!
私もこんな会話したことあるなぁ…と思ってしまうくらいの生々しさでした。
(なかなか全員揃わないところなんかもリアル。
就職先によって休みのタイミングが違うので、本当にこんな感じになる)
細かいことですが、さりげなく書かれている年収もざっくりこんな感じです。
薬剤師は「そうそう。そうなんだよね~」と共感できますし、薬剤師じゃない方は「こんな感じなんだー!」とふむふむできると思います。
大学の友達と飲み会というさりげないシーンなんですが、薬剤師から見ても再現率高めです。
刈谷さんがかっこいい!
かっこいい!!と胸が震えたのは、6話の刈谷さん。
合理的・効率的に仕事をこなすタイプで、みどりは少し苦手に思っています。
この刈谷さんは少し珍しい経歴でして、元・大手薬局の店長からの転職組。
(薬局→病院と転職する人は少ないです)
薬局店長の経験を生かし、在庫管理や医薬品適正使用を主に担っています。
胸をがしっと捕まれたセリフはこちら。
「先生の知識やご経験もこの病院の財産ですが
医薬品も大切な財産です。
(略)
医薬品の管理を徹底し
患者さんのために最善の策を取り続けられるようにする。
それも私たち病院薬剤師の仕事なんです」
アンサングシンデレラ② P26・27より引用
(ちょっと長いので省略してしまいました。ぜひ本編で全部読んでもらいたい…!)
そうなんだよ!!!
もう心の中で首をぶんぶん振って頷いていました。
セリフ自体のかっこよさもさることながら、きっぱりと語りかける刈谷さんがめちゃくちゃかっこいい…!
現実では、はっきりと医師に物申すことはなかなかできません。
(いろいろあるので)
ですが、刈谷さんは相手が医師でも臆せず、「慣例に流されずご判断ください」と丁寧に、でもきっぱりと自分の考えを述べました。
そう簡単にできることじゃありません。
そんな刈谷さんを見て、なんだか私がものすごくすっきり。
そして、多分ですけど、こういう仕事がしたくて薬局から病院へ転職したんだろうなぁと思いました。
現状、調剤薬局の薬剤師が、医師に意見して処方を変えてもらうのはかなり難しいです。
薬局の店長を経験して、その上で病院でないとできないことがある、と判断したんじゃないのかなと。
刈谷さんに胸を掴まれた6話でした。
※抗生剤の適正使用について、こんな記事を書いています。よかったらこちらもどうぞ。

小野塚くんの気持ちがわかりすぎる。読んでて胸が痛い
そして、一番の感情移入ポイントはなんといっても小野塚くん。
同じ薬局薬剤師なので、どうしても肩入れしてしまいます。
いい加減な仕事をしている(ように見える)、ドラッグストア薬剤師の小野塚くん。
24時間営業を埋めるため、週3回の夜勤&夜中のワンオペ業務をこなし、今にも潰れそうな苦しい毎日を送っています。
申し込んでいた夜の勉強会も急な欠員で行けなくなり、更にマネージャーから「そんなの行くよりシフト入れ」と圧をかけられ、もう心は折れる寸前。
(こういったマネージャーばかりではありませんが、夜の勉強会に行けないというのもままあることです)
少しずつ気力を削がれ、やる気を潰され、疲弊して身動きとれなくなる様がものすごくリアル。
雑な仕事ぶりはどうなの?(アダラートCRを割るのはさすがに…)って思いますが、追い込まれてしまう気持ちははっきり言ってすごくわかります。
甘いのかもしれませんが、彼を責めきれない自分がいます。
薬局薬剤師の私から見ても、小野塚くんの様子はものすごくリアルで胸が苦しくなるくらいでした。
まとめ
全体を通して思うのは、ものすごくリアルということ。
薬剤師の仕事ぶり、考えていること、感じていることがきっちりと描かれています。
後書きで「作者、編集、監修の二人三脚」と書かれている通り、ものすごく綿密な作業の上に成り立っているんだと思います。
正直、ここまで現実に沿って描かれるとは思っていませんでした。
(失礼ながら、やっぱりマンガだもんね、と思うところが少しはあるのかなと…)
これからがますます楽しみなマンガです。
こちらも楽しみですね
